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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
高齢者頚椎症性脊髄症の手術的治療―手術治療選択のタイミング
Surgical Treatment of Cervical Spondylotic Myelopathy for Aged Patients
田口 敏彦
1
,
河合 伸也
1
,
金子 和生
1
,
森信 謙一
1
,
藤本 英明
1
Toshihiko Taguchi
1
1山口大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
cervical spondylotic myelopathy
,
頚椎症性脊髄症
,
surgical treatment
,
手術的治療
,
aged patients
,
高齢患者
Keyword:
cervical spondylotic myelopathy
,
頚椎症性脊髄症
,
surgical treatment
,
手術的治療
,
aged patients
,
高齢患者
pp.409-413
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903518
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抄録:高齢者の頚椎症性脊髄症(以下CSM)の手術的治療のタイミングについて検討した.対象は術後2年以上経過を観察できた107例である.70歳以上の高齢者群は44例(平均74歳)であり,70歳未満の非高齢者群は63例(平均53歳)であった.検討項目として,罹病期間,術前・術後のJOAスコア,術後改善率,予測式を用いた予測と術後成績の的中率について比較検討した.高齢者は,非高齢者と比較して罹病期間に差はないが,術前重症度は有意に高く(p<0.01),症状の進行が早いため手術の時機が遅れやすいことを示した.また,改善率に差がなく,術前の重症度が高くなければ,術後獲得点数は非高齢者と同等で同程度の改善を得ていた.高齢者の手術の時機としては術前JOAスコアが9点になる前の手術が望ましく,10点以上であれば,非高齢者と同様な手術効果が期待でき,合併症について対処できれば,重症化する前の早期の手術をすべきである.
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