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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
腰椎変性疾患での術前髄液内一酸化窒素と術後の痛み・しびれの改善
Preoperative CSF Nitric Oxide Metabolites and Postoperative Pain Relief in Degenerative Lumbar Diseases
木村 慎二
1,2
,
渡辺 研二
3
,
矢尻 洋一
1
,
内山 政二
4
,
長谷川 和宏
1
,
渋木 克栄
5
,
遠藤 直人
1
Shinji Kimura
1,2
1現:新潟大学医学部整形外科
2新潟労災病院整形外科
3亀田第一病院整形外科
4国立西新潟中央病院整形外科
5新潟大学脳研究所システム脳生理
1Department of Othopaedic Surgery, Niigata University School of Medicine
キーワード:
nitric oxide
,
一酸化窒素
,
degenerative lumbar disease
,
腰椎変性疾患
,
pain
,
痛み
Keyword:
nitric oxide
,
一酸化窒素
,
degenerative lumbar disease
,
腰椎変性疾患
,
pain
,
痛み
pp.373-378
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903513
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抄録:本研究の目的は,腰椎変性疾患患者(腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症)の髄液中の一酸化窒素酸化物(亜硝酸イオンと硝酸イオン,以下NO量)濃度が,術後の痛み・しびれの改善度を推察できるかを検討するものである.NO量はGriess法を用いて測定した.6例のボランティアと18列の痛みを有しない患者のNO量をコントロール値とした.39歳以下の腰椎椎間板ヘルニア6例ではNO量は対照群に比して上昇しておらず,術後もNO量は変わらず,痛み・しびれに関係した項目のみの日整会腰椎疾患判定基準(Pain JOA)の改善率(平林法)は良好であった.一方,40歳以上の腰椎変性疾患19例の術前NO量は,対照群に比して有意に上昇しており,術後のNO量が術前に比して低下していた群は,上昇していた群よりも有意にPain JOAの改善率が良好であった.腰椎変性疾患全25例の術前NO量は,Pain JOAの改善率と有意な負の相関(r=-0.714,p<0.001)を示した.腰椎変性疾患患者のNO量は術後の痛み・しびれの改善を予知できる今までにない定量的なpredictorになりうる.
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