統計学/整形外科医が知っておきたい
3.一標本,二標本のノンパラメトリック検定―tよりU勢?
小柳 貴裕
1
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
pp.275-282
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903497
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◆パラメトリック検定の大前提からの脱却
元来歴史的にも統計学は実験データの分析に対する要請から進歩してきたものである.Pearsonの時代は,偶然変動の影響しか受けない正規分布だけを考慮していればよかった.しかし現代,観察による抽象的なデータや,順序によるデータの評価が繁用されるようになり,またその変動要因も多様化したため,仮定の厳格なt検定をはじめとしたパラメトリック検定より,たとえ検出力が落ちてもよりゆるい仮定のもとで適用できるノンパラメトリック検定のほうへと指向が変わってきた.ノンパラメトリック手法とはdistribution free,すなわち正規分布によらない手法と考えてよいようだ.正規分布の条件に縛られることへの批判から生まれてきたものといえる.
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