Japanese
English
特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)
骨粗鬆症例に対するハイドロキシアパタイト緻密顆粒(HA stick)充填によるpedicle screwの固定性の検討
Effects of Hydroxyapatite Solid Granule (HA Stick) on Pedicle Screwing for Osteoporotic Patients
松崎 浩巳
1
,
徳橋 泰明
1
,
若林 健
1
,
大川 章裕
1
,
萩原 秀彦
1
,
岩橋 正樹
1
Hiromi Matsuzaki
1
1日本大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University, School of Medicie
キーワード:
hydroxyapatite
,
ハイドロキシアパタイト
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
pedicle screw
,
ペデイクルスクリュー
Keyword:
hydroxyapatite
,
ハイドロキシアパタイト
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
pedicle screw
,
ペデイクルスクリュー
pp.529-534
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903267
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:各種ハイドロキシアパタイト(HA)顆粒の気孔率,サイズならびにルースニングとスクリュー引抜き強度との関係について検討した.また,緻密顆粒から加工した棒状のHA stickを骨粗鬆のある屍体脊椎を用いて即時固定(引抜き強度)について検討した.さらに,臨床応用についても調査した.
HA緻密顆粒が多孔体顆粒よりも有意に引き抜き強度が大きかった.また,ルースニングの程度に相関した顆粒サイズを使用すべきであった.骨粗鬆症のある屍体椎弓根の引抜きテストではコントロール値は23.22±2.29kgf,1椎弓根に2本HA stickを用いた群では33.04±2.89kgf,4本用いた群では42.19±3.5kgf(コントロールとp<0.01)とHA stickを増やすことにより引抜き強度は有意に高くなった(各々n=4).
臨床において,HA stickを目的とするスクリュー孔に容易に確実に充填可能であった.術後X線像ではスクリュー周囲にHA顆粒が層状に描出され,クリアゾーンは25%に見られたが,スクリューの明らかなルースニングは認められなかった.以上より,HA stickは臨床上,安全性,操作性からも骨粗鬆症例のpedicle screwの固定強化に有用である.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.