最新基礎科学/知っておきたい
ニューロン活動の光学的計測法
吉田 英彰
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科
2慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター整形外科
pp.200-201
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903209
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神経組織内のニューロン活動を計測するためには,従来,微小電極法などの電気生理学的手法が用いられてきたが,神経回路網機能解析には多数個のニューロン活動電位を同時記録することが必要と考えられる.しかし,電気生理学的手法では多数個のニューロンに微小電極を同時に刺入しての活動電位同時記録や,微小電極を刺人できない微小な,あるいは脆弱なニューロンからの活動電位測定は不可能に近い.一方,臨床でも用いられているMRIやPETを用いた方法はニューロン活動を直接計測する方法ではなく,神経活動に依存した血流の増減からみた代謝性変化を計測するものであり,空間解像度も極めて低く,微小領域の精細な解析は不可能である.従来の方法が持つこのような制約,問題点を打破し,リアルタイムに多ニューロン活動を同時解析,画像化するための方法として,膜電位感受性色素(voltage-sensitive dyes)を用いた光学的計測法が発展してきた.その詳細については総説5,9,10)を参照していただきたい.
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