視座
「インフォームド・コンセント」に想う
三河 義弘
1
1川崎医科大学整形外科
pp.1431-1432
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903149
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インフォームド・コンセントという語が人口に膾炙して久しい.日本語では「説明と同意」と訳され,その意味するところは「医療の主体者である患者が公正な判断ができるように情報公開すること」あるいは「患者と医療の不確実性を分かち合い,患者が最善の選択ができるように情報公開すること」とされる.最近では,インフォームド・ディシジョン(informed decision),あるいはインフォームド・チョイス(informed choice)と言われることが多いとも聞く.
このインフォームド・コンセントなる語が導入される以前から,これに類すること(説明)は当然行われていた.ただ,この説明は経験則に基づくところが大きく,Evidence-based Medicine(EBM)の面からは不充分であったことは否めない.しかし,いざEBMに基づいた説明をしようとしても,我が国では残念ながら充分な科学的データの蓄積がなく,勢い従来通りの説明に少々色をつけた程度で済ませているのが現状であろう.
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