Japanese
English
論述
転移性脊椎腫瘍に対する脊椎全摘術の経験
Total Spondylectomy for Metastatic Tumor of the Thoracolumbar Spine
阿部 栄二
1
,
村井 肇
1
,
小林 孝
1
,
千葉 光穂
2
,
奥山 幸一郎
2
,
斎藤 一
3
,
荻野 正明
4
Eiji Abe
1
1秋田大学医学部整形外科
2秋田労災病院整形外科
3藤原記念病院整形外科
4湖東病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Akita University School of Medicine
キーワード:
spinal metastasis
,
転移性脊椎腫瘍
,
total spondylectomy
,
脊椎全摘術
,
spinal reconstruction
,
脊柱再建
Keyword:
spinal metastasis
,
転移性脊椎腫瘍
,
total spondylectomy
,
脊椎全摘術
,
spinal reconstruction
,
脊柱再建
pp.1097-1102
発行日 2000年9月25日
Published Date 2000/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903083
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抄録:単発性の転移性脊椎腫瘍の8例に罹患椎の椎弓根を2分割しそれぞれを一塊として摘出する脊椎全摘術(TES)を行った.原発巣は肺が2例,腎が2例,甲状腺3例,前立腺1例である.後方進入TESはT6,T12,L2,L2,L2-3高位の腫瘍5例に行い,前・後一期的TESはL2,L3,L4の3例に行った.腰背部痛や神経麻痺は術後著しく改善し,全例独立歩行にて退院した.重篤な合併症はなかったが,後方進入TESでは5例中4例に神経根切離が必要であった.切除縁の組織検査で椎弓根切離部で腫瘍内切除となったのが8例中7例あった.他の部位では広範切除1例,辺縁切除5例,腫瘍内切除2例であった.局所再発は2例あり,どちらも椎体部で骨外進展した腫瘍に後方進入TESを行った例であった.4~44カ月(平均19カ月)で死亡した4例では死亡時まで,生存4例では1~6.5年(平均4.5年)手術の効果が続いていた.肺癌転移例を除き,術前の検査で重要臓器に転移がない単発性の脊椎転移癌に対するTESは臨床的にも有用な方法と思われた.
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