Japanese
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手術手技 私のくふう
ペディクルスクリューを用いた辷り率30%以上の腰椎辷り症の手術的整復法とその機序について
Surgical Reduction for Grade II and IV Lumbar Spondylolisthesis by Using Spinal Instrumentation
熊野 潔
1
,
夏山 元伸
1
,
内田 毅
1
,
長谷川 敬和
1
,
吉田 勇治
1
Kiyoshi Kumano
1
1関東労災病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kantoh Rosai Hospital
キーワード:
lumbar spondylolisthesis
,
腰椎すべり症
,
surgical reduction
,
整復術
,
spinal instrumentation
,
脊椎インストゥルメンテーション
,
pedicle screwing
,
ペディクルスクリュー法
Keyword:
lumbar spondylolisthesis
,
腰椎すべり症
,
surgical reduction
,
整復術
,
spinal instrumentation
,
脊椎インストゥルメンテーション
,
pedicle screwing
,
ペディクルスクリュー法
pp.1369-1373
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902845
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抄録:本論文の目的は腰椎辷り症の新しい手術整復操作法を述べて,lordosisization法として報告してきた従来の整復法3)と比較検討して,その整復機序について考察することにある.従来法とはspinal instrumentationを用いてlordosisizationを行う方法であり,改良法とは一層spinal instrumentationを利用してdistraction forceと梃子の作用を利用してlordosisizationを行う方法である.比較検討の対象はすべり率30%以上の第4および第5腰椎の形成不全型または分離・変性辷り症で,従来法で治療された7例と改良法で治療された4例である.結果は,すべり矯正率は従来法で52.4%,改良法は77.4%であり,すべり矯正角度は前者で17.1°,後者は23.2°であった.手術台上腹臥位での辷り症整復の作用機序として,すべり椎体への後方回転-後方転位を起こすような引き上げる力の作用が必要と考えられているのが一般的であるが,実際に作用している力は辷り椎体遠位部の前方転位と骨盤-仙骨の前方回転を起こすような力である.われわれの辷り症整復機序の考え方と改良法は,spinal instrumentationを用いた辷り率30%以上の整復に抵抗する腰椎辷り症の整復に有用であると考える.
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