Japanese
English
臨床経験
外傷による腸腰筋骨化症の1例(Myotonic Dystrophyの1例)
Heterotopic Ossification of Iliopsoas by a Minor Trauma in Myotonic Distrophy : A Case Report
荒尾 和彦
1
,
沖 高司
1
,
伊藤 弘紀
1
,
野上 宏
1
Kazuhiko Arao
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Aichi Prefectura Colony Central Hospital
キーワード:
heterotopic ossification
,
異所性骨化
,
myotonic distrophy
,
筋緊張性ジストロフィー
,
iliopsoas
,
腸腰筋
Keyword:
heterotopic ossification
,
異所性骨化
,
myotonic distrophy
,
筋緊張性ジストロフィー
,
iliopsoas
,
腸腰筋
pp.809-811
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902744
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抄録:Myotonic Distrophy(MD)症例の腸腰筋に発症した異所性骨化の1例を経験した,症例は17歳男性で,遺伝子解析によりMDと診断した.また,同胞の2例もMDであった.現症,軽微な外傷により跛行をきたし,受傷日に初診したが,重度の精神遅滞のため診断に難渋し,股関節の骨化の発見まで5ヵ月を要した.骨シンチグラフィーでの著しい集積と,股関節のROM制限があったが,血液生化学検査の異常はなかった.治療は,受傷後1年3ヵ月に小転子から骨盤内まで骨化した腸腰筋を切除した.切除時に,ROMの制限は消失した.術後の再発予防のために,Etidronate Disodium(17mg/day・kg×28day)の投与・理学療法を施行した.術後1年で軽度の局所の骨化の再発を認めるが,日常生活に制限なく,良好な結果を得た.われわれが渉猟した範囲では外傷による腸腰筋の骨化症の報告が無く,MDでは異所性骨化が起きやすい状態にあると推察する.
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