Japanese
English
臨床経験
隣接する𦙾骨に骨膜性骨形成を生じた小さな血管腫の1例
A Case Report of a Small Haemangioma Which lnduced Periosteal New Bone Formation on the Nabouring Bone
五嶋 孝博
1,2
,
十字 琢夫
1
,
山田 紀彦
1
,
河合 従之
3
,
高橋 総一郎
3
,
飯島 卓夫
4
Takahiro Goto
1,2
1東京大学医学部整形外科学教室
2東京大学医学部附属病院分院整形外科
3大宮赤十字病院整形外科
4社会保険中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
キーワード:
haemangioma
,
血管腫
,
periosteal reaction
,
骨膜反応
,
periosteal bone formation
,
骨膜性骨形成
Keyword:
haemangioma
,
血管腫
,
periosteal reaction
,
骨膜反応
,
periosteal bone formation
,
骨膜性骨形成
pp.1243-1245
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902558
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隣接した𦙾骨に骨膜性骨形成を生じた小さな有痛性血管腫を1例経験した.症例は33歳,男性.1年前より持続する右腓腹部痛を主訴に当院を受診した.右腓腹部近位内側に強い圧痛があり,足関節背屈により疼痛が誘発された.単純X線では圧痛部に隣接した𦙾骨に骨皮質の肥厚がみられた.CTでは𦙾骨後方に隣接して筋肉と等密度の径2cmの腫瘤があり,MRIのT1強調画像では筋肉と等信号,STIR画像では高信号を呈していた.血管腫を疑い腫瘍を切除した.腫瘍は拡張した血管と固い瘢痕様の線維性組織から構成されており,この線維性組織は𦙾骨骨皮質の肥厚部に連続していた.病理診断は海綿状血管腫であった.術後,疼痛は完全に消失した.本例のような小さな血管腫により骨皮質の肥厚を生じることは稀である.本例は腫瘍自体は小さいものの局所の疼痛が著しく,血管腫の強い炎症が骨に波及し骨膜性骨形成を生じたものと推定される.
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