ついである記・26
IzmirとEphesus
山室 隆夫
1,2
1京都大学
2国際整形災害外科学会
pp.1008-1009
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902509
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現在のトルコにはギリシャ,ローマ,オスマン・トルコなどの数千年に亘る古い文明の跡が堆積しているので,小アジア地方の歴史を前もって少し勉強しておかないと,観光に行ってもその国の面白さは十分に理解できないであろう,という意味のことを前回書いた.ところが,私自身も不勉強であったので,トルコのイズミール(Izmir)とその周辺を初めて旅した時には,ギリシャやローマ文明の数々の大遺跡をまのあたりにして歴史の迷路に迷い込んでしまったような錯覚に陥った.トルコのエーゲ海沿岸地方は紀元前は古代ギリシャの支配する土地であったわけだから,そこにギリシャの遺跡があるのは当然なのだが,実際にその地に行ってみるまではトルコにあれほど壮大なギリシャやローマの遺跡が数多くあるとは予想していなかった.
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