シンポジウム 骨組織に対する力学的負荷とその制御―日常臨床に生かす視点から
緒言
中村 利孝
1
1産業医科大学整形外科学教室
pp.946-949
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902498
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨の量と形は力学負荷に応じて変化する.骨の形態は,個々の細胞の機能だけで維持されているのではない.細胞の数や細胞集団が,骨組織を形成したり吸収したりする部位や,一定の時間内で吸収される量と形成される骨量とのバランスなどが重要な要因となる.最近,このような細胞集団の機能を調節するメカニズムには,組織の歪みや微小な破壊が関与している可能性が指摘されつつある.本シンポジウムでは,この分野で著明な6人の先生方に,日頃の研究結果についてご報告をお願いした.研究のスタートとなる現象は,いずれも整形外科の日常診療でよく経験される事実である.しかし,内容によってはやや分かりにくいところもあるかも知れない.そこで本稿では,読者の理解を容易にするために,この分野の最近の進展状況を簡単に概説する.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.