Japanese
English
臨床経験
環軸椎不安定症に対する治療経験―外傷を契機として発症し,長期経過した5例
Diagnosis and Treatment of Long-termed Atlanto-axial Instability after Trauma
成田 穂積
1
,
星 忠行
1
,
三戸 明夫
1
,
徳谷 聡
1
,
油川 修一
1
,
原田 征行
2
Hozumi Narita
1
1青森県立中央病院整形外科
2弘前大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Aomori Prefectural Central Hospital
キーワード:
traumatic atlanto-axal instability
,
外傷性環軸椎不安定症
,
atlanto-axial subluxation
,
環軸椎亜脱臼
,
pseudoarthrosis of dens
,
歯突起偽関節
Keyword:
traumatic atlanto-axal instability
,
外傷性環軸椎不安定症
,
atlanto-axial subluxation
,
環軸椎亜脱臼
,
pseudoarthrosis of dens
,
歯突起偽関節
pp.755-761
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902463
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抄録:外傷性環軸椎不安定症の長期経過例が,交通外傷などを契機に症状が悪化し,手術治療を行った5例を経験した.2例が歯突起偽関節,3例が環軸椎亜脱臼であった.全例男性で,手術時年齢は36~64歳(平均49.6歳)であった.環軸椎不安定症をきたした最初の外傷から手術までの経過期間は,8~30年(平均21.4年)であった.1例は仕事中の頭部打撲,2例は交通事故,2例は日常生活で症状悪化をきたし,手術に至った.われわれは,外傷性環軸椎不安定症の長期経過例に対する手術適応について,1)環軸椎不安定症による神経症状が明らかであるもの,2)前屈位有効脊柱管距離が13mm以下,3)有効脊柱管距離の不安定係数が20%以上は,二次的外傷による脊髄損傷の可能性が高く,手術の絶対的適応と考える.また,4)環椎歯突起間距離が5mm以上は,比較的適応と考える.
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