Japanese
English
臨床経験
神経線維腫症に合併したgiant pachydermatoceleの1例
Neurofibromatosis with Giant Pachydermatocele : A Case Report
太田 浩史
1
,
谷川 浩隆
1
,
清水 富永
1
,
比佐 健二
1
,
吉村 康夫
1
,
高岡 邦夫
1
Hiroshi Ota
1
1信州大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shinshu Uiversity School Medicine
キーワード:
neurofibromatosis
,
神経線維腫症
,
giant pachydermatocele
,
びまん性神経線維腫
,
embolization
,
血管塞栓術
Keyword:
neurofibromatosis
,
神経線維腫症
,
giant pachydermatocele
,
びまん性神経線維腫
,
embolization
,
血管塞栓術
pp.1455-1458
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902335
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抄録:側腹部に巨大なpachydermatoceleがみられた神経線維腫症の1例を報告する.症例は38歳男性.幼少時より左側腹部に腫瘤を認め,6歳時に摘出した.15歳頃より同部に腫瘤が再発・増大し日常生活に支障を来してきた.38歳時,腫瘍切除目的で入院となった.pachydermatoceleの大きさは32×20×10cmであり,CTでは腫瘍は筋肉とほぼ同じdensity,MRI TI強調画像では筋肉と同等の信号,T2強調画像ではまだらに高信号を呈し,Gd-DTPAで全体が造影された.血管造影で左第6~第10肋間動脈および肩甲下動脈からの栄養血管を認めた.PDCは血管が豊富で腫瘍組織が脆弱なために摘出時には出血が問題となるため,術前に栄養血管である肋間動脈および肩甲下動脈に対し血管塞栓術を行った,術中出血は1,800mlであり,過去の報告例と比較して少量の出血で切除し得た.血管塞栓術は腫瘍切除の際の有効な手段の一つと考えられた.
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