Japanese
English
臨床経験
頚椎化膿性脊椎炎による急性四肢麻痺の1例
Respiratory Quadroplegia Resulting from Cervical Pyogenic Sipondylitis : A Case Report
遠藤 健司
1
,
市丸 勝二
1
,
間中 昌和
1
,
平 学
1
,
浦和 康人
1
,
伊藤 公一
1
,
今給黎 篤弘
2
,
草間 博
3
Kenji Endo
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院整形外科
2東京医科大学整形外科
3東京医科大学霞ヶ浦病院病理
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical College Kasumigaura Hospital
キーワード:
pyogenic spondylitis
,
化膿性脊椎炎
,
quadroplegia
,
四肢麻痺
,
MRI
,
核磁気共鳴上画像
Keyword:
pyogenic spondylitis
,
化膿性脊椎炎
,
quadroplegia
,
四肢麻痺
,
MRI
,
核磁気共鳴上画像
pp.1333-1336
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902310
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抄録:頚椎化膿性脊椎炎により発生した呼吸障害を伴った四肢麻痺の上手術例を経験した.症例は55歳の男性で,二次性糖尿病の既往を持つ.1996(平成8)年4月20日に誘因なく微熱が出現し,さらに排泄障害,右下肢の知覚運動障害が発生し近医受診入院となった.その後歩行不能,呼吸困難のため人工呼吸器使用となり4月30日当院紹介され転院となった.MRI上C6,7,Thl椎体に輝度変化があり,C6-Thl椎体後方には,圧迫病変が存在していた.全身状態の改善を待って症状発生後24日目の5月14日にC7,Thl椎体亜全摘骨移植による前方除圧固定術を施行した,摘出椎間板の病理診断より化膿性脊椎炎と硬膜外膿瘍であることが判明した.手術後,呼吸筋麻痺および上肢機能,下肢機能ともに改善した.急性炎症を示す化膿性脊椎炎は,麻痺の進行が早く早期加療が必要である.今回,MRIが早期診断に有用であり手術により良い結果を得ることができたので報告した.
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