シンポジウム 腰椎変性疾患に対するspinal instrumentation―適応と問題点―
緒言/Spinal instrumentationの適応と問題点
菊地 臣一
1
1福島医科大学整形外科
pp.1226-1228
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902294
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Spinal instrumentationの脊椎外科への導入は,20世紀の整形外科の中でも特筆すべき革新的な進歩の一つです.Spinal instrumentationの導入によって,脊椎の外傷や腫瘍に対する対応は格段に進歩し,その成績の向上も明らかです.一方,腰椎の退行性疾患に対しては,現在も尚,その適応や真の有効性に関しては議論が分かれるところです.その理由は,多分,外傷や腫瘍に対するspinal instrumentationの適応は,脊柱の再建そのものが目的で,その手段としての補強材であるinstrumentの設置で目的が達せられるからでしょう.これに対して,腰椎の退行性疾患に対する適応については,spinal instrumentationの適用で獲得出来た脊柱の強固な固定が,手術の主たる目的である神経症状の改善に役立っているのかどうかが明らかになっていない点に意見の分かれる理由の一つがあると考えられます.
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