Japanese
English
臨床経験
両側大腿骨頚部骨折を合併した乳児Hirschsprung病の1症例
Bilateral Femoral Neck Fracture in an Infantile Hirschsprung's Disease : A Case Report
藤林 俊介
1
,
四方 實彦
1
,
清水 和也
1
,
田中 千晶
1
,
杉本 正幸
1
,
高橋 真
1
,
服部 理恵子
1
Shunsuke Fujibayashi
1
1京都市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto City Hospital
キーワード:
femoral neck fracture
,
大腿骨頚部骨折
,
Hirschsprung's disease
,
Hirschsprung病
Keyword:
femoral neck fracture
,
大腿骨頚部骨折
,
Hirschsprung's disease
,
Hirschsprung病
pp.733-736
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902198
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抄録:Hirschsprung病は,先天的に腸管壁内神経節細胞が欠如することによる腸管の蠕動運動障害のため,消化管内容が停滞し巨大な結腸を示す疾患で,出生5,000に対し1人と比較的よくみられる代表的な小児消化管疾患であるが,治療に抵抗し経腸管栄養不能となる重傷例は非常に稀である.また乳児の大腿骨頚部骨折も稀な疾患であり,主に転落などの外傷,小児虐待,骨形成不全症などがその病因となる.骨癒合が迅速で,変形も成長とともに自然矯正されるため,保存的治療が原則となる.今回われわれは,乳児Hirschsprung病に合併した,明らかな外傷なく自然発症した両側大腿骨頚部骨折を1例経験した.骨折の病因は,長期経静脈栄養と長期臥床による骨粗鬆症であると推測された.骨折は保存的加療により早期に治癒したが,乳児は1カ月後,肝機能不全および肺炎のため死亡した.
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