Japanese
English
臨床経験
胸髄軟膜下脂肪腫の1例
Thoracic Subpial Lipoma : A Case Report
高田 宇重
1
,
浅野 聡
2
,
大矢 卓
3
,
羽場 等
1
,
井須 豊彦
4
Takashige Takada
1
1北海道大学医学部整形外科
2獨協医科大学越谷病院整形外科
3釧路労災病院整形外科
4釧路労災病院脳神経外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
subpial lipoma
,
胸髄膜下脂肪腫
,
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
Keyword:
subpial lipoma
,
胸髄膜下脂肪腫
,
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
pp.729-732
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902197
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抄録:胸髄軟膜下に発生した脂肪腫の1例を経験したので報告する.症例は26歳,男性.1993(平成5)年秋,歩行時のふらつきが出現.1994(平成6)年5月には排尿障害も自覚,以後徐々に症状が増悪.1995(平成7)年2月に初診,入院となった.入院時,痙性歩行,両下肢深部腱反射亢進,病的反射陽性,乳頭レベル以下の知覚鈍麻,排尿遅延あり.入院中に両下肢筋力低下が出現した.脊髄造影では,Th1~5レベルでtotal stop,cap defect様陰影欠損と軽度の脊髄腫大像を認めた.CTでは,腫瘍はfat densityだった.MRIは脊柱管内にT1WI,T2WIともに高信号を呈する信号域が脊髄を圧排していた.以上より,軟膜下に発生した脂肪腫と診断し手術を施行した,Th1~5椎弓切除後,顕微鏡下に硬膜,くも膜下を切開すると軟膜下に腫瘍を認めた.軟膜を切開し脊髄の拍動が認められるまで腫瘍を切除した.病理所見は成熟脂肪細胞だった.術直後より神経障害は著明に改善された.
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