Japanese
English
臨床経験
胸髄硬膜から発生した間葉性軟骨肉腫の1例
A Case of Meningeal Mesenchymal Chondrosarcoma of the Thoracic Spinal Cord
鈴木 勝美
1
,
舘 靖彦
1
,
須藤 啓広
1
,
西村 龍彩
1
,
塩川 靖夫
1
,
荻原 義郎
1
,
村島 隆文
2
Katsuyoshi Suzuki
1
1三重大学医学部整形外科学教室
2国立療養所三重病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Mie University School of Medicine
キーワード:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
間葉性軟骨肉腫
,
mesenchymal chondrosarcoma
,
髄膜性間葉性軟骨肉腫
,
meningeal mesenchymal chondrosarcoma
Keyword:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
間葉性軟骨肉腫
,
mesenchymal chondrosarcoma
,
髄膜性間葉性軟骨肉腫
,
meningeal mesenchymal chondrosarcoma
pp.1043-1046
発行日 1986年9月25日
Published Date 1986/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907481
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抄録:胸髄硬膜より発生した間葉性軟骨肉腫の1例を経験したので報告する.症例は23歳の女性であり,昭和57年5月に第3胸椎高位で腫瘍摘出術のみが行われた.その後,両下肢麻痺に対して機能訓練を行っていたが,2年後に再発し昭和59年6月に再手術が行われた.病理組織学的には原発腫瘍・再発腫瘍ともに胸髄硬膜より発生した間葉性軟骨肉腫と診断された.脊髄より悪性腫瘍が発生したときには解剖学的に外科的根治術が困難であり,腫瘍摘出術のみでは本症例のように再発する可能性が高いので,再手術後は局所的根治術のために5000radsの放射線療法とRosenのT-10Bプロトコールに準じた化学療法が行われ,現在再手術後1年4ヵ月(化学療法終了後6ヵ月)で無病状態である.しかしながら,間葉性軟骨肉腫に対して今回行った放射線療法および化学療法の有用性を評価するにはさらに長い経過観察が必要であると思われる.
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