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特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)
胸椎高度後弯による胸髄症に対する後側方進入前方除圧術とその成績
Anterolateral Decompression for Thoracic Myelopathy due to Severe Kyphosis Using the Costotransversectomy Approach
斉藤 正史
1
,
稲見 州治
1
,
山下 裕
1
,
今泉 佳宣
1
,
服部 和幸
1
,
柴崎 啓一
1
,
大谷 清
1
Masashi Saito
1
1国立療養所村山病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Murayama Hospital
キーワード:
thoracic kyphosis
,
胸椎後弯
,
costotransversectomy
,
肋骨横突起切除術
,
thoracic myelopathy
,
胸髄症
Keyword:
thoracic kyphosis
,
胸椎後弯
,
costotransversectomy
,
肋骨横突起切除術
,
thoracic myelopathy
,
胸髄症
pp.523-530
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902161
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抄録:胸椎高度後弯による胸髄症の7例にたいして肋骨横突起切除による後側方進入前方除圧術を行ったので報告する.症例は男2例,女5例,手術時年齢は,平均43(15~50)歳であった.後弯の原因疾患は,若年期に罹患した脊椎カリエス後の後弯6例と先天性後側弯症1例であり,後弯角は,脊椎カリエス後の後弯が平均105°(70~125),先天性後側弯症180°と高度の後弯を認めた.手術成績は,JOA scoreで術前平均4.6(1~6)点が術後平均7.0(1~10)点に改善し,改善率は,平均43(0~80)%と良好な成績が得られ,術後合併症もなかった.
胸椎後弯による胸髄症では,通常の前側方進入による前方除圧術は,除圧が困難で脊髄損傷の危険性があり適応が限られる.本術式は,手技的に難易度が高いが,高度後弯例では唯一といえる術式であり,有用と考えられる.
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