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特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)
腰椎変性側弯に伴う神経根障害―解剖所見からみた病態
An Anatomic Study on Nerve Root Impairment Associated with Lumbar Degenerative Scoliosis
佐藤 勝彦
1
,
菊地 臣一
1
Katsuhiko Sato
1
1福島県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical College
キーワード:
nerve root entrapment
,
神経根絞扼
,
degenerative scoliosis
,
変性側弯
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
nerve root entrapment
,
神経根絞扼
,
degenerative scoliosis
,
変性側弯
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.441-446
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902152
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抄録:腰椎部変性側弯による神経根障害の病態を検討するため解剖学的研究を行った.学生実習用遺体86体を対象にX線撮影を行い,変性側弯の有無を確認し,変性側弯が認められた症例の肉眼解剖を行った.側変角10°以上の変性側弯を有する症例の頻度は14例,16%であった.その中で側弯角20°以上の高度変性側弯を呈した2例について詳細な検討を行った.変性側弯による神経根障害の病態は,側弯の凹側と凸側では異なっている.側弯凹側部では,椎間孔部を中心とした複数部位での障害や椎間孔部における頭尾側方向の圧迫とpedicular kinkingに伴う横走が特徴的であった.このような障害は,凹側の複数根に発生する可能性がある.一方,側弯の凸側では,神経根の牽引と神経根管近位部や椎間孔部での背腹方向の圧迫により神経根障害が発生すると推定された.変性側弯では,このような病態を念頭において障害神経根の機械的圧迫を評価する必要がある.
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