Japanese
English
臨床経験
脳性麻痺児にみられた橈骨頭脱臼
Dislocation of the Radial Head in Children with Cerebral Palsy
二井 英二
1
,
西山 正紀
1
,
半田 忠洋
1
,
山崎 征治
2
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2上野総合市民病院整形外科
1Orthopedic Department of Kusanomi Gakuen Hospital for Disabled Children
キーワード:
cerebral palsy
,
脳性麻痺
,
dislocation of the radial head
,
橈骨頭脱臼
Keyword:
cerebral palsy
,
脳性麻痺
,
dislocation of the radial head
,
橈骨頭脱臼
pp.307-310
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902134
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:脳性麻痺児における橈骨頭脱臼の7例(8関節)を経験したので報告した.前方脱臼6例(全例片側),後方脱臼1例(両側)であり,発症年齢は平均10歳6カ月であった.ほとんどの例で軽度の肘関節屈曲および著明な前腕回内拘縮がみられたが,疼痛を訴えたものはなかった.また,手関節,手指の動きに大きな制限のみられないものでは,日常生活上の障害は比較的軽度であった.脳性麻痺における橈骨頭脱臼の報告はきわめて少ないが,発生頻度としては2~3%との報告もみられ,それほど稀ではない.脱臼の原因としては,上腕二頭筋腱による橈骨頭への牽引力や回内拘縮の持続による関節包などの弛緩が考えられているが明らかではない.自験例および過去の報告例において,前方脱臼の頻度が高いが,後方脱臼も少なからずみられており,その他の因子が関与していることも考えられた.脱臼による日常生活上の障害や疼痛はほとんどみられず,観血的療法の適応は少ないと思われた.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.