Japanese
English
臨床経験
脳性麻痺児の股関節脱臼に対する装具療法の小経験
Experience of Bracing for Dislocation of the Hip in Children with Cerebral Palsy
二井 英二
1
,
小保方 浩一
1
,
矢田 浩
1
,
原 親弘
1
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
脳性麻痺
,
cerebral palsy
,
股関節脱臼
,
dislocation of the hip
,
装具
,
brace
Keyword:
脳性麻痺
,
cerebral palsy
,
股関節脱臼
,
dislocation of the hip
,
装具
,
brace
pp.607-610
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901118
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:脳性麻痺児の股関節脱臼に対しては,観血的療法が主として行われ,装具療法の効果は明確ではない.今回,2例の脳性麻痺児の股関節脱臼に対して,股関節外転装具による治療を行い,比較的良好な結果を得たので報告した.股関節の内転筋群,屈筋群の痙性があまり強くなく,開排位などにより求心性が良好なものでは,装具療法によりある程度の効果が期待できるものと思われた.また,脳性麻痺児の股関節脱臼における臼蓋形成不全は,不良肢位にある大腿骨骨頭の臼蓋への圧迫が原因であるとされ,特に,7歳以降では臼蓋の軟骨性発育は鈍化するため,たとえ骨頭の求心性が保たれたとしても臼蓋の改善は期待し難いとされている.我々の症例においては,11歳,8歳時に治療を開始しているが,特に,11歳より開始した症例において臼蓋の改善は著明であり,骨頭の求心位を良好に保つことにより年長児でも臼蓋の良好な発育が期待できると考えられた.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.