Japanese
English
臨床経験
橈骨頭脱臼と遠位橈尺関節脱臼を合併した1例
Dislocation of the Radial Head Associated with Dislocation of the Distal Radio-Ulnar Joint: A Case Report
鈴木 孝宏
1
,
古屋 公之
1
,
長岡 正宏
1
,
佐藤 勤也
1
Takahiro Suzuki
1
1日本大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine
キーワード:
橈骨頭脱臼
,
radial head dislocation
,
遠位橈尺関節脱臼
,
distal radio-ulnar joint dislocation
,
双極脱臼
,
bipolar dislocation
Keyword:
橈骨頭脱臼
,
radial head dislocation
,
遠位橈尺関節脱臼
,
distal radio-ulnar joint dislocation
,
双極脱臼
,
bipolar dislocation
pp.955-957
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901184
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抄録:きわめて稀な橈骨頭前方脱臼と遠位橈尺関節脱臼を合併した1例を経験した.症例は17歳,男性.オートバイ走行中の転倒事故で受傷し,前腕部に挫創および変形を認めた.単純X線上,橈骨頭前方脱臼と尺骨頭長軸・背側脱臼を認めたが,両前腕骨に骨折はなかった.橈骨頭前方脱臼は,橈骨頭を後方へ押し込む操作により容易に整復され,同時に遠位橈尺関節脱臼も整復位となった.遠位橈尺関節は経皮鋼線固定としたが,橈骨頭は整復位で安定していたため内固定は行わなかった.受傷機転は,前腕回内位で手をついて転倒したため,肘関節が過伸展を強制され,尺骨が支点となり橈骨を持ち上げ,同時に上腕二頭筋の収縮力が働いて橈骨頭前方脱臼が生じたと考えた.一方,遠位橈尺関節脱臼は,手関節背屈位で回内を強制され,尺骨頭が背側へ脱臼し,さらに,橈骨頭に前方脱臼も生じたため軸圧力が加わり長軸方向へも脱臼したと推測した.
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