Japanese
English
臨床経験
舟状骨背側近位部に認めた偽関節の1例
Pseudarthrosis of the Proximal Scaphoid ; A Case Report
関 庄二
1
,
中野 正人
,
平野 典和
,
酒井 清司
Shoji Seki
1
1富山労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toyama Rousai Hospital
キーワード:
scaphoid
,
舟状骨
,
pseudarthrosis
,
偽関節
,
avulsion fracture
,
裂離骨折
Keyword:
scaphoid
,
舟状骨
,
pseudarthrosis
,
偽関節
,
avulsion fracture
,
裂離骨折
pp.1305-1308
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903123
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抄録:症例は19歳男性、主訴は右手関節痛であった.明らかな外傷の既往はなかったが,右手関節背側部に腫脹,疼痛,圧痛があり,圧痛の部位は嗅ぎタバコ盆のやや尺側に位置していた.可動域制限はなく,背屈強制時に著しい疼痛を認めた.単純X線像の45回外位にて舟状骨背側に遊離骨片が確認された.ストレス撮影,断層撮影,CTにより舟状骨背側近位部の偽関節と診断した.同部のキシロカインブロックが有効であったため,骨片摘出術を施行した.骨片は舟状骨の有頭骨関節面に位置し背側手根弓状靱帯に付着していた.術後は手関節の背屈を強制しても、痛みは認められなかった.今回,報告した近位部での裂離骨折の報告は,われわれが渉猟しえた限りでは,新鮮例の1報告のみであった.診断に際しては,度重なる背屈動作を行う柔道等のスポーツ歴の有無と45回外位X線像が重要であると考えられた.
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