Japanese
English
臨床経験
手根骨長軸性脱臼の治療成績
Treatment of Traumatic Axial Dislocations of the Carpus
稲垣 弘進
1,2
,
花木 和春
1
,
竹内 俊彦
1
,
井上 五郎
3
Hironobu Inagaki
1,2
1西尾市民病院整形外科
2東海病院整形外科
3名古屋大学分院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nishio Municipal Hospital
キーワード:
axial dislocation of the carpus
,
手根骨長軸性脱臼
,
fracture dislocation of the carpus
,
手根骨脱臼骨折
,
soft tissue injury
,
軟部組織損傷
Keyword:
axial dislocation of the carpus
,
手根骨長軸性脱臼
,
fracture dislocation of the carpus
,
手根骨脱臼骨折
,
soft tissue injury
,
軟部組織損傷
pp.1291-1294
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902046
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:手根骨長軸性脱臼の7例を経験したので,その治療成績について報告する.症例は男性5例,女性2例,平均年齢38歳であり,受傷原因は圧挫6例,交通事故1例であった.Garcia-Eliasらの脱臼型分類では尺側型5例,橈側型2例であった.合併損傷は,他の脱臼骨折6例,動脈損傷2例,神経損傷4例,筋挫滅5例であった.治療は可及的に整復固定を行ったが,2例は再整復を要した.さらに症例により静脈移植や皮弁形成術が必要であった.術後平均観察期間は64カ月で握力健側比平均61%,手関節可動域健側比平均78%であり,手関節痛は全例なかった.Cooneyの臨床評価は平均74点で,優1例,良2例,可3例,不可1例であった.
脱臼型と予後は必ずしも相関せず,筋肉神経損傷合併例は予後が悪く,握力低下が顕著であった.早期治療が原則で,脱臼整復だけでなく軟部組織の再建に留意し,また術後拘縮予防対策も重要であると考えられた.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.