Japanese
English
臨床経験
転移性骨盤腫瘍に対する体外照射にtissue expanderを応用した1例
Protection of the Intestine with a Silicone Tissue Expander during Radiation Therapy for Metastatic Pelvic Tumor : A Case Report
濱田 泰彦
1,2
,
倉都 滋之
1
,
萩尾 佳介
1
,
荒木 信人
1
,
越智 隆弘
1
,
田中 英一
3
,
井上 俊彦
3
,
内田 淳正
4
Yasuhiko Hamada
1,2
1大阪大学医学部整形外科
2市立吹田市民病院整形外科
3大阪大学医学部放射線科
4三重大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
metastatic pelvic tumor
,
転移性骨盤腫瘍
,
tissue expander
,
ティシューエクスパンダー
,
external irradiation
,
体外照射
Keyword:
metastatic pelvic tumor
,
転移性骨盤腫瘍
,
tissue expander
,
ティシューエクスパンダー
,
external irradiation
,
体外照射
pp.1281-1285
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902044
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抄録:肝細胞癌の骨盤転移に対して,tissue expanderにて骨盤内臓器を照射野外に避け,従来よりも高線量の照射を行うことで良好な局所コントロールが得られた1例を報告する.症例は67歳の男性で,肝細胞癌の加療中,左股部痛が出現し,単純X線で左腸骨部に骨融解像を認めたため,肝細胞癌の骨盤転移と診断した.これに対し,50Gyの外部照射を施行したが腫瘍の縮小はなく,造影CTで腫瘍内部がenhanceされ,局所コントロールは不良と思われた.そこで,さらに追加照射して致死線量を与えることを考えた.その際最も重大な副作用である腸管障害を避けるため,tissue expanderを後腹膜腔内に留置して腸管を照射野より除外し,30Gyを追加照射した.この治療により下痢等の急性腸管障害は認めず,画像上腫瘍は50%に縮小し,内部も全体に壊死像を呈し,著明な骨形成像も認めた.最終照射後5カ月の現在,左股部痛は消失し,杖なしでの独歩も可能となり,ADLの著明な改善を認めている.
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