Japanese
English
臨床経験
両側随意性橈骨頭脱臼の1例
A Case of Voluntary Dislocation of Bilateral Radial Heads
井幡 巌
1,2
,
堀内 行雄
1
,
山中 一良
1
,
関 敦仁
1
,
松林 経世
1
,
矢部 裕
1
,
伊藤 恵康
3
Iwao Ibata
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科
2浦和市立病院整形外科
3慶友整形外科病院
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
radial head
,
橈骨頭
,
bilateral dislocation
,
両側性脱臼
,
voluntary dislocation
,
随意性脱臼
Keyword:
radial head
,
橈骨頭
,
bilateral dislocation
,
両側性脱臼
,
voluntary dislocation
,
随意性脱臼
pp.951-954
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901974
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抄録:回外することにより発生し,回内および伸展により整復されるきわめて稀な両側随意性橈骨頭脱臼の1例を経験した.症例は16歳の男性で,中学2年より誘因なく両肘の不安定感が出現し,肘関節90°屈曲位で回外していくと橈骨頭は前方に脱臼し,伸展または回内していくと整復された.本例の発生機序は過回外時に尺骨が“てこ”として働き橈骨頭が側方に脱臼したために輪状靱帯に緩みが生じ,そこに上腕二頭筋の収縮力が働き橈骨頭は前方に移動したと推測される.経過を観察していたが右肘は物を握ろうとして力をいれただけでも容易に脱臼するようになったために手術を施行した.上腕骨と橈骨頭の相対関係を改善する目的で,橈骨中央部で骨切りを行い中枢骨片を80°内旋する回旋骨切り術を施行した.さらに,輪状靱帯にはやや緊張をつけて縫合閉鎖した.術後,経過は良好で右肘の脱臼は再発していない.
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