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特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)
X線上骨傷のない頚髄損傷における体性感覚誘発電位の検討
The SEP Study for Spinal Cord Injury without Bony Involvement
遠藤 健司
1
,
柄沢 玄宏
1
,
平 学
1
,
高山 俊明
1
,
井上 全夫
1
,
市丸 勝二
1
,
伊藤 公一
2
,
三浦 幸雄
2
Kenji Endo
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院整形外科
2東京医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical College Kasumigaura Hospital
キーワード:
spinal cord injury
,
頚髄損傷
,
SEP
,
体性感覚誘発電位
,
MRI
,
核磁気共鳴画像
Keyword:
spinal cord injury
,
頚髄損傷
,
SEP
,
体性感覚誘発電位
,
MRI
,
核磁気共鳴画像
pp.397-403
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901875
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抄録:X線上骨傷が明らかでない頚髄損傷は,しばしば画像診断のみでは損傷高位の決定や脊髄病態の把握が困難なことが多い.臨床的には,詳細な神経学的検索を行うと共に電気生理学的検討も有効な補助診断となるというのが現状である.筆者らは,これらの神経症状の変化をFrankel分類で評価を行い,体性感覚誘発電位(SEP)を計測することにより神経症状の変化を客観化する試みをした.SEPは,受傷後1週間以内の記録において,麻痺の生じた症例の68%で,N13またはN20頂点潜時の遅延,波形の消失などの変化が生じていた.そして,6カ月後の記録では,神経症状が改善しているグループでSEPもその80%で改善しており麻痺とSEPの変化に相関が認められた.SEPを経時的に観察することで麻痺を客観化することができ,治療効果の判定にも有用であると考えられた.
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