Japanese
English
論述
外傷性頸部症候群に対する頸椎前方固定術の成績について
Is the Cervical Anterior Spinal Fusion Effective for Traumatic Cervical Syndrome?
川上 守
1
,
玉置 哲也
1
,
浜崎 広洋
1
,
寺尾 賢秀
1
,
岩橋 俊幸
1
,
綿貫 昭則
2
Mamoru Kawakami
1
1和歌山県立医科大学整形外科
2角谷整形外科病院
1Department of Orthopedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
外傷性頸部症候群
,
traumatic cervical syndrome
,
椎間板造影
,
discography
,
頸椎前方固定術
,
cervical anterior spinal fusion
Keyword:
外傷性頸部症候群
,
traumatic cervical syndrome
,
椎間板造影
,
discography
,
頸椎前方固定術
,
cervical anterior spinal fusion
pp.1122-1128
発行日 1991年10月25日
Published Date 1991/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900441
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抄録:外傷性頸部症候群に対する頸椎前方固定術18例の臨床症状の推移と手術適応決定に用いたdiscographyの有用性について検討した.数回discographyを行った症例では疼痛発現部位,程度に再現性がなく,また,discographyで再現性のみられた椎間以外の前方固定術でも症状が軽快した.つまり,discographyを用いた手術適応決定には問題があり,現時点では前方固定術を行う根拠を他覚的にとらえることができない.手術後短期間の成績は疼痛は88.9%,しびれなどの上肢症状は85.7%,Barré-Lieou症状は76.9%が軽快ないし消失していた.しかし,平均6年4カ月の調査時の成績は,疼痛,上肢症状は50%,Barré-Lieou症状は46.2%が不変で,約半数が愁訴を有し,決して満足のいく結果ではなかった.従来,愁訴特に疼痛を他覚的にとらえる方法としてdiscographyが用いられてきたが,今回の結果から,discographyによる疼痛再現性の有用性と本症に対する手術適応には疑問のあることを示した.
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