Japanese
English
論述
軟部肉腫における化学療法の意義―単独施設における14年間の症例の検討
Chemotherapy for Soft Tissue Sarcoma : Fourteen-year Experience in a Single Institute
松本 誠一
1
,
川口 智義
1
,
真鍋 淳
1
,
黒田 浩司
1
,
下地 尚
1
,
古屋 光太郎
2
Seiichi Matsumoto
1
1癌研病院整形外科
2東京医科歯科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Cancer Institute Hospital
キーワード:
軟部肉腫
,
soft tissue sarcoma
,
化学療法
,
chemotherapy
Keyword:
軟部肉腫
,
soft tissue sarcoma
,
化学療法
,
chemotherapy
pp.1377-1382
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901786
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抄録:根治的広切法の概念にのっとり,原発巣を手術した軟部肉腫の化学療法効果を検討した.症例は,1978~1990年に癌研病院にて手術した260例であり,主な組織型は,MFH:73例,脂肪肉腫:49例,滑膜肉腫:26例などである.化学療法の内訳は,術前療法:47例,術後補助化療:94例,転移に対する化学療法:71例である.使用薬剤は,横紋筋肉腫や円形細胞肉腫ではVAC療法,その他の肉腫では,CYVADIC療法を基本とした.その結果,術前化学療法単独での原発巣に対する有効率は34%であった.M0N0の21例では,術前化療有効群の生存率は7/7であり,無効群の11/14に比較して優れていた.術後補助化療では,MFHは化学療法の有無にかかわらず生存率:80%であり,補助化学療法の意義は低かった,円形細胞肉腫,横紋筋肉腫,単相型の滑膜肉腫,高悪性の脂肪肉腫は,補助化学療法の良い適応であった.転移に対する化学療法では,有効率:11%,CRは2例にすぎず,化学療法単独の効果は限られていた.
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