Japanese
English
臨床経験
胸椎の多椎体に発生したfibrous dysplasiaの1手術例
Surgical treatment for fibrous dysplasia of thethoracic spine. A case report
渡辺 俊彦
1
,
大谷 清
1
,
柴崎 啓一
1
,
満足 駿一
1
,
藤村 祥一
1
,
中井 定明
1
,
森 雅文
2
Toshihiko WATANABE
1
1国立療養所村山病院整形外科
2東京歯科大学市川病院整形外科
1Dept. of orthop. surg., Nalional Murayama hospital
キーワード:
手術的治療
,
surgical treatment
,
線維性異形成
,
fibrous dysplasia
,
胸椎
,
thoracic spine
Keyword:
手術的治療
,
surgical treatment
,
線維性異形成
,
fibrous dysplasia
,
胸椎
,
thoracic spine
pp.611-617
発行日 1980年6月25日
Published Date 1980/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908629
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
数ある脊椎病変のうち,椎体の脆弱化のため,病的骨折を併発し,脊髄麻痺を起こす疾患は,その手術的適応も含めて,治療に難渋する場合が多々ある.その代表的なものとして,転移性脊椎腫瘍,myeloma等の悪性原発性脊椎腫瘍,骨巨細胞腫等の良性脊椎腫瘍,さらには老人性骨粗鬆症,Paget病,そして副甲状腺機能亢進症などが挙げられる.しかし,一般には余り知られていないが,四肢長管骨に好発するfibrous dysplasia(以下F. D.と略す)も時に脊椎に発生し,病的骨折を併発し,対麻痺の原因となり,その治療に苦慮することがある.
この度,われわれは第6胸椎から第9胸椎の4椎体に及ぶF. D.を,前方より病巣掻爬,椎体固定を施行する機会を得た.F. D.の脊椎発生は文献上,稀なものとされているが,polyostotic typeではその14%に脊椎病変をみたという報告もある8).また第8回脊椎外科研究会においても,新たに5例報告されたことより7,21),さほど稀なものではないと考えられる.今回われわれはF. D.椎体発生例の一手術例を得た機会に,本例の報告と共に過去の文献報告例より,F. D.脊椎発生例について考察を試みた.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.