追悼
天児民和先生
津山 直一
1,2
,
山本 真
3,4
,
山室 隆夫
5,6
1東京大学
2国立身体障害者リハビリテーションセンター
3九州労災病院
4北里大学
5京都大学
6国際整形災害外科学会
pp.712-715
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901652
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わが国の整形外科の歴史をふり返ると,1906年に東大,京大に独立した科として発足しているから,実に90年の歳月を経たことになる.東大,京大,九大の初代の整形外科学講座創基者田代,松岡,住田先生らの時代を初代のジェネレーションとすると,大正から昭和にかけて第二の世代として,高木(東大),神中(九大),伊藤(京大),名倉(名大),片山(国)(慈大),本島(新大)の先生らが発展に努力され,日本整形外科学会も第1回総会は大正15年4月3日に,第7回日本医学会の第10部分科会として東京大学内科講堂において挙行されているから,今年を以って満70歳に達したことになる.
しかし,日本整形外科学会創設当時の記録は固より,私が入局してしばらくした昭和26年の故三木威勇治教授主宰の日本整形外科学会総会でも評議員の半ば以上は一般外科の教授であり,全国の国・公立大学に一応整形外科学講座が完備したのは昭和31年のことであるから,昭和初期より30年を超える年月,天児民和先生ら第三代目にわたる世代の先生方は整形外科の独立,独自性の基礎固めのため活躍されたのである.
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