Japanese
English
臨床経験
棘下筋・腱が整復障害因子となった外傷性肩関節後方脱臼骨折の1例
Irreducible Posterior Traumatic Fracture-Dislocation of the Shoulder Caused by Interposition of Infraspinatus Muscle and Tendon : A Case Report
小川 祐人
1
,
佐々木 孝
1
,
長山 信幸
1
,
堀田 拓
1
,
小川 清久
2
Ogawa Yuto
1
1済生会神奈川県病院整形外科
2慶應義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Saiseikai Kanagawaken Hospital
キーワード:
肩関節後方脱臼骨折
,
posterior fracture-dislocation of the shoulder
,
介在
,
interposition
,
棘下筋
,
infraspinatus muscle
,
牽引
,
traction
Keyword:
肩関節後方脱臼骨折
,
posterior fracture-dislocation of the shoulder
,
介在
,
interposition
,
棘下筋
,
infraspinatus muscle
,
牽引
,
traction
pp.669-672
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901645
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抄録:上腕骨頭が関節包および腱板を破り関節外に逸脱し棘下筋・腱が整復障害となった肩関節後方脱臼骨折の1例を経験したので報告する.症例は21歳男性,自動車運転中,電柱に激突し受傷した.当日,局麻下に徒手整復を試みるも整復は得られなかった.単純X線とCT所見より,上腕骨頭が棘下筋・小円筋間で関節外に逸脱し,棘下筋が上腕骨頭と関節窩の間に介在していることが予想された.逸脱口に上腕骨頭を正対させるように上肢をゼロポジションまで挙上し持続牽引をし整復位を得た.後の逸脱口閉鎖を目的とした手術で上記の病態は確認された.後方脱臼骨折では通常,上腕骨頭は関節包内に止まるが,自験例では骨頭は関節包外に逸脱し,さらに骨折した大・小結節が骨膜により骨幹部と連続性を保っていたため棘下筋が整復障害因子となった.
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