Japanese
English
臨床経験
頚部リンパ節生検後に発生した副神経麻痺の1例
A Case Report of Accessory Nerve Paralysis after Biopsy of Cervical Lymphnode
桝谷 厚志
1
,
岡田 正人
1
,
愛川 肇
1
,
藤井 正則
1
,
西島 雄一郎
1
,
東田 紀彦
1
,
山崎 安朗
1
Atsushi Masutani
1
1金沢医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kanazawa Medical University
キーワード:
副神経
,
accessory nerve
,
麻痺
,
paralysis
,
僧帽筋
,
trapezius
Keyword:
副神経
,
accessory nerve
,
麻痺
,
paralysis
,
僧帽筋
,
trapezius
pp.651-653
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901641
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抄録:頚部リンパ節生検後の手術瘢痕による絞扼が原因で発生した稀な副神経麻痺の1例を経験した.症例は66歳女性で,他医にて右頚部リンパ節生検を受け,約1週間後より右肩甲帯部の疼痛と倦怠感が出現し,生検3カ月後に当科を紹介され受診した.右僧帽筋の筋萎縮と鎖骨上窩の陥凹が高度であった.筋電図所見では僧帽筋上・中部線維にdenervation potentialを認めた.副神経の切断と考え,神経縫合術あるいは神経移植術を予定して手術を施行した.しかし副神経の切断は認められなかった.副神経が瘢痕組織によって高度に絞扼されている所見がみられたため,神経剥離術を施行した.術直後より右肩甲帯部痛と倦怠感は消失し,僧帽筋の筋萎縮も徐々に改善しており,術後経過は良好である.
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