視座
教え厳しからざるは師の怠り也
国分 正一
1
1東北大学医学部整形外科
pp.573
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901625
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東北大学の病理学実習室に戦前から表記の額が掲げられている.学生時代にその由来を聞いていたが,幸いに整形外科医となってから接した教授,先輩から優しくして頂けたので,教えに「厳しさ」を実感することがなかった.それが,教室の若い先生方を指導する側に回ってから,この箴言の意味の重さを考えるようになった.
学生の教育はさておいて,医師となった者の指導には,診察,手術,クリニカル・コンファランス,研究指導,論文指導の五つが最良の機会と考えている.新分野を求めて彼の地に留学に出すことの大事さは言うまでもない.だが,如何せんその恩恵に浴せる者の数に限りがある.また,大学以外で実現が難しい.五つの中では論理的思考力を高める意味で,コンファランスと論文指導の意義を強調したい.
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