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特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
小児の環軸椎後方固定術が頚椎の成長に及ぼす影響について
Growth of the Cervical Spine following Posterior Atlantoaxial Arthrodesis in Children
松本 守雄
1
,
戸山 芳昭
1
,
鈴木 信正
1
,
藤村 祥一
1
,
平林 冽
2
,
小林 慶二
3
,
市原 眞仁
4
Morio Matsumoto
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2慶應義塾看護短期大学
3阿部クリニック
4日野市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine.
キーワード:
環軸椎後方固定術
,
posterior atlantoaxial arthrodesis
,
成長
,
growth
,
小児頚椎
,
pediatric cervical spine
Keyword:
環軸椎後方固定術
,
posterior atlantoaxial arthrodesis
,
成長
,
growth
,
小児頚椎
,
pediatric cervical spine
pp.345-353
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901594
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抄録:小児の環軸椎後方固定術が頚椎の成長に及ぼす影響についてX線学的に調査した.対象は本手術を行い,2年以上の経過観察を行った小児12例である.正常小児184例,成人41例を比較対照とした.計測項目はC3からC6までの椎体前後径,脊柱管前後径,椎体高とし,対象群で得られた計測値を,同年齢の比較対照群で得られた計測値で除してratio化した(以下,椎体前後径比;BR,脊柱管前後径比;CR,椎体高比;HR).術前および最終調査時の全症例平均の各ratioの変化は各椎体高位でわずかであった.術後S字型変形を生じた4例ではC3,C4でBRが著明に増大した.環軸椎以外に及ぶ過剰癒合例3例では各高位でBRが減少した.弯曲異常も過剰癒合も生じなかった症例では各ratioの変化は少なかった.すなわち,一般に本手術が小児頚椎の成長に及ぼす影響は少なかったが,弯曲異常例や過剰癒合例では椎体の前後方向への成長が大きな影響を受けた.
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