Japanese
English
臨床経験
手術が必要であった肘滑膜ひだ障害
Operative Treatment for the Snapping Elbow from Synovial Fold
室賀 陽子
1
,
鈴木 正孝
1
,
佐久間 雅之
1
,
牧野 仁美
2
Yoko Muroga
1
1東海病院整形外科
2中部病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokai Hospital
キーワード:
弾発肘
,
snapping elbow
,
滑膜ひだ
,
synovial fold
,
関節鏡
,
arthroscopy
Keyword:
弾発肘
,
snapping elbow
,
滑膜ひだ
,
synovial fold
,
関節鏡
,
arthroscopy
pp.217-220
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901572
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抄録:肘の滑膜ひだ障害と考えられた,30代の自転車組み立て工の男性と10代のバレーボール部員2人の3例を経験した.1例は両側性であった.2例に肘関節の弾発現象を,1例に可動域制限をみた.関節二重造影にて有用な所見を得た.手術により,関節包の外側部より輪状靱帯に達する滑膜ひだが存在し,一部膝半月板様に肥厚した部分が,肘関節の運動に伴い,腕橈関節内と橈骨頭頚部の間を移動し,これが弾発現象の本態であることを直視下に確認した.病理組織所見は滑膜組織の線維化を伴う肥厚と細血管の増生であり,炎症細胞浸潤や軟骨化はみられなかった.われわれの経験例と諸家の報告例より滑膜ひだ障害の発生機序として,先天的に比較的大きな滑膜ひだが存在し,スポーツや職業などにより頻回の微小外傷や慢性の機械的刺激が加わって,滑膜ひだに慢性炎症,変性,肥厚が起こり,次第にまたは外傷を機転として疼痛や弾発現象を生ずるに至ったと考えられた.
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