Japanese
English
臨床経験
脊髄硬膜外血管脂肪腫の1例
A Case of Spinal Extradural Hemangiolipoma
笠島 俊彦
1,2
,
倉上 親治
1
Toshihiko Kasashima
1,2
1帯広厚生病院整形外科
2北海道大学医学部整形外科
1Department of Ortho-paedic Surgery, Obihiro Kousei Hospital
キーワード:
血管脂肪腫
,
hemangiolipoma
,
脊髄硬膜外腫瘍
,
spinal extradural tumor
,
磁気共鳴画像
,
magnetic resonance imaging
Keyword:
血管脂肪腫
,
hemangiolipoma
,
脊髄硬膜外腫瘍
,
spinal extradural tumor
,
磁気共鳴画像
,
magnetic resonance imaging
pp.1249-1252
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901498
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抄録:今回我々は,胸髄硬膜外血管脂肪腫の1例を経験した.症例は59歳の男性で,両下肢シビレ感,脱力を主訴とした.神経学的に,両側第1腰髄節以下の知覚低下,腸腰筋以下の筋力低下,下肢腱反射の亢進を認めた.脊髄腔造影,CTMで脊髄がTh10-11レベルで硬膜外より圧排されていた.MRIではT1強調像で等輝度と高輝度の混在像,T2強調像では高輝度,そしてGdにより増強効果を示す腫瘤を認めた.以上より,Th10-11の硬膜外腫瘍と診断し,腫瘍摘出術を施行した.病理診断は血管脂肪腫であった.術後,1ヵ月で筋力は完全に回復し,軽度の知覚低下を残すのみである.硬膜外腫瘍を診断する場合,術前にその性状まで確定診断をつけることは不可能であるが,血管脂肪腫の場合,MRIで特徴的な像を示すため術前にある程度の予想は可能である.
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