整形外科を育てた人達 第3回
Georg Friedrich Louis Stromeyer(1804-1876)
天児 民和
1
1九州大学
pp.294-297
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906709
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
AndryがL'orthopediaを出版して欧州の医学会に新しい風が流れた.Andryは元来内科医で専ら保存的療法にて治療しようとしたが,軽い変形は治るものもあるが,重度の変形は簡単には保存的療法では治らないものが多い.これを外科的に手術をして矯正しようとしても,手術創が化膿して重い症状を呈することも少なくなかった.19世紀の初めにJacques-Mathien Delpech(1777-1832)はOrthomorphieと称してOrthopediaと同じ考えで変形の予防と治療を行っていたが,手術をしないでは矯正できない変形が多いので,内反足に対してアヒレス腱を切断して矯正していたが,皮切をすると化膿は避けられず生命の危険も生ずることもあり,Delpechは手術に失敗した患者から射殺せられている.又内反足でも高度の変形で歩行も障害せられているものは切断をして義肢で歩行していた人もいた.しかしこの切断で死亡する人もあった.そこで外科的に変形を矯正する方法に興味深く眺めていた人にStromeyerがいたのである.Georg Friedrich Louis Stromeyerは1804年Hanoverに生れた.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.