Japanese
English
臨床経験
自損行為により発生した頚髄切断の1例
A Case Report of a Stab Wound of the Cervical Spinal Cord Attempting Suicide
山田 圭
1
,
後藤 琢也
1
,
賀茂 和典
1
,
田平 礼一
1
,
薗田 恭輔
1
,
宮城 成圭
2
,
河野 邦治
3
,
内川 知也
3
Kei Yamada
1
1聖マリア病院整形外科
2久留米大学医学部整形外科
3大牟田市立病院
1Department of Orthopedic Surgery, St. Marys' Hospital
キーワード:
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
刺創
,
stab wound
,
自損行為
,
suicide
Keyword:
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
刺創
,
stab wound
,
自損行為
,
suicide
pp.607-610
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901372
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抄録:症例は40歳男性で,精神分裂病があり何度か自殺企図の既往があった.1993年1月1日包丁を自分で前頚部に刺して受傷した.近医に搬入され全麻下に包丁を抜去した後,当科に紹介された.入院時神経学的所見は,上腕三頭筋以下の完全弛緩麻痺,C4からTh2までの知覚鈍麻,Th3以下の知覚脱出,深部反射消失,膀胱直腸障害を認めた.受傷後4日目より細菌性髄膜炎を発症し,MRIにて,C4/C5棘突起間より後頚部皮下に連続する嚢胞性病変を認め,手術的に除去した.しかし,その後発熱,骨融解を伴う化膿性脊椎炎を続発した,神経学的所見は上腕三頭筋,手関節背屈に若干の改善があるのみであった.包丁が横方向に頚部に刺入したにもかかわらず重要器官の合併損傷もなく、しかも椎間板を貫通して脊髄を切断した極めて稀な症例である.
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