Japanese
English
臨床経験
腓腹神経を含んだ下腿後面の島状皮弁により,踵部の皮膚欠損を再建した1例
A Case Report: Sural Neuroskin Island Flap for the Heel Skin Defect
黒河内 和俊
1,2
,
揖野 學而
1
,
中村 滋
1
,
新田 弘幸
1
,
澤野 浩
1
,
松原 祐二
1
,
白松 兼次
1
,
鳥居 修平
3
Kazutoshi Kurokochi
1,2
1掛川市立総合病院整形外科
2名古屋大学医学部整形外科
3名古屋大学医学部形成外科教室
1Kakegawa City General Hospital
キーワード:
neurogskin island flap
,
腓腹神経
,
sural nerve
,
踵骨骨髄炎
,
calcaneal osteomyelitis
Keyword:
neurogskin island flap
,
腓腹神経
,
sural nerve
,
踵骨骨髄炎
,
calcaneal osteomyelitis
pp.603-606
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901371
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抄録:症例は,77歳,男性.脊髄損傷の既往あり.ガラス片で右足底を切創するも放置.右踵骨骨髄炎があり,右足底全体のデブリードマン,踵骨の病巣掻爬,腸骨による骨移植を行った.踵骨の露出した軟部組織の欠損は縮小せず,sural neuroskin island flapによる被覆を行った.術後3カ月現在踵部の免荷装具にて松葉杖歩行を行っているが,移植部のトラブルは生じていない.
neuroskin island flapの利点は,デザインが容易であること,移動距離が長いこと,手技が簡便であることであり,問題点としては,採皮部以下の表在知覚を失うこと,皮弁の強度が弱いことである.1991年Masqueletらはsural neuroskin island flapを足背部に利用したが,我々は初めて踵部にも応用し,良好な結果を得た.そのほか,果部,アキレス腱部といった足関節周囲の皮膚再建に対しても非常に有用であると推測された.
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