Japanese
English
臨床経験
四肢麻痺,呼吸停止から著明な回復を示した上位頚髄損傷の1例―全身低体温療法の治療経験
A Case Report of Upper Cervical Cord Injury with Quadriplegia and Respiratory Arrest Treated Successfully Using Systemic Hypothermia
姫野 良
1
,
高橋 忍
1
,
秋山 泰高
1
,
永田 裕一
2
Ryo Himeno
1
1市立長浜病院整形外科
2市立長浜病院脳神経外科
1Department of Orthopedic Surgery, Nagahama City Hospital
キーワード:
odontoid fracture
,
軸椎歯突起骨折
,
hypothermia
,
低体温療法
,
spinal cord injury
,
脊髄損傷
Keyword:
odontoid fracture
,
軸椎歯突起骨折
,
hypothermia
,
低体温療法
,
spinal cord injury
,
脊髄損傷
pp.665-669
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902998
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抄録:症例は19歳,男性.自動車事故にて受傷し,事故発生数分後では,意識レベルJCS300,呼吸停止,脈拍触知せず,瞳孔散大の状態であった.直ちに心肺蘇生処置を受け,約2分後に自発呼吸が出現し,当院に搬送された.来院時,意識レベルJCS200で,四肢随意運動は見られなかった.単純X線写真にて軸椎歯突起骨折を認めた.頭部CTにて特に異常所見はなかったが,意識障害の原因として頭部病変が疑われたため,直ちに鎮静下に全身低体温療法を開始し,以後5日間施行した.MRIでは,T2強調画像にて骨折部高位の上位頚髄髄内に辺縁不明瞭な高輝度領域がみられた.骨折部の不安定性に対し,受傷14日目,螺子による骨接合術を施行した.以後,意識レベル,四肢運動,知覚とも徐々に回復し,受傷5週後立位可能となり,11週後独歩にて退院した.病態および低体温療法の意義につき考察を加えた.
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