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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
椎体終板における微細血管構造の走査型電子顕微鏡による観察―椎体終板内の部位による形態の差について
Scanning Electron Microscopic Observations of the Vascular Structure of Rabbit Vertebral End-plates: The Morphological Differences of the Vascular Buds at the Different Sites of the Vertebral End-plate
沖 貞明
1
,
松田 芳郎
1
,
柴田 大法
1
,
安達 永二朗
1
Sadaaki Oki
1
1愛媛大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedics, Ehime University School of Medicine
キーワード:
vascular bud
,
椎体終板
,
vertebral end-plate
,
家兎
,
rabbit
Keyword:
vascular bud
,
椎体終板
,
vertebral end-plate
,
家兎
,
rabbit
pp.477-482
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901352
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抄録:椎間板は無血管組織であり,その栄養路は椎体終板及び線維輪を介するdiffusionとされている.椎体終板のなかでも線維輪に近い周辺部分よりも,髄核に近い中央部分において溶質の透過性が高く,vascular budsと呼ばれる微細血管構造が透過性に関与し,重要視されている.今回我々は家兎を用い,椎体終板の中央に近い部分と周辺に近い部分におけるvascular budsの形態の差を,血管鋳型を用いた走査型電子顕微鏡によって観察し,比較検討した.両部位において,単位面積あたりのvascular budsの数に差は認められなかった.しかしvascular budsの形態に関しては,椎体終板の周辺に近い部分ではUターンをしただけの簡単な形をしたループ構造であるのに対し,中央に近い部分では複雑な房状の形を呈し,各々異なる形態を呈していた.椎体終板の部位によるvascular budsの形態の差は,vascular budsの持つ椎間板への栄養路としての機能の差を反映するものと考えている.
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