Japanese
English
臨床経験
椎体多発骨折によって顕著な身長低下を来したCushing病の1例
A Case of Cushing's Disease Presenting with a Marked Reduction of Height by Multiple Compression Fractures of the Vertebrae
西 徹
1
,
斉藤 裕次
1
,
渡辺 憲治
1
,
赤木 盛久
2
,
矢野 隆
2
,
有田 和徳
2
,
魚住 徹
3
Tohru Nishi
1
1尾道総合病院脳神経外科
2尾道総合病院脳神経内科
3広島大学医学部脳神経外科
1Department of neurosurgery, Onomichi General Hospital
キーワード:
Cushing病
,
Cushing disease
,
骨粗鬆症
,
Osteoporosis
,
経蝶形骨洞手術
,
Transsphenoidal surgery
Keyword:
Cushing病
,
Cushing disease
,
骨粗鬆症
,
Osteoporosis
,
経蝶形骨洞手術
,
Transsphenoidal surgery
pp.1401-1404
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901267
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抄録:Cushing病において骨粗鬆症はしばしば認められるが,骨粗鬆症自身が主徴となることは少ない.胸腰椎多発圧迫骨折によって短期間のうちに顕著な身長低下を来たし,胸郭変形による呼吸不全症状で入院したCushing病の1例に対し,経蝶形骨洞法により下垂体腺腫を全摘し,著明な症状の改善を得たので報告する.症例は46歳女性で,1991年4月転倒し強い腰背部痛を自覚し,約1ヵ月後に身長低下(1ヵ月で15cm短縮)に気付いた.単純X線像で著明な骨粗鬆症と胸腰椎の多発圧迫骨折が認められた.次第に歩行困難,寝たきりの状態となり,呼吸困難を来たしたため同年9月当院に入院した.精査の結果微小下垂体腺腫によるCushing病と診断した.(血中ACTH;70~90pg/ml,血中cortisoi;20~30μg/ml)1991年2月経蝶形骨洞法により腺腫を全摘した.術後単純X線像所見は不変であったが高cortisol血症は消失し,腰背部痛の改善により歩行も可能となり,社会復帰した.
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