Japanese
English
論述
転移性脊椎腫瘍に対する手術的治療の短期成績―部分腫瘍摘出術と可及的全摘出術の比較検討
A Comparative Study between Partial and Subtotal Resection for Patients with Metastatic Spinal Tumor Utilizing Spinal Instrumentation
岩﨑 博
1
,
玉置 哲也
1
,
川上 守
1
,
吉田 宗人
1
,
安藤 宗治
1
,
山田 宏
1
,
大浦 晴夫
1
Hiroshi Iwasaki
1
1和歌山県立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
metastatic spinal tumor
,
転移性脊椎腫瘍
,
surgical treatment
,
外科的治療
Keyword:
metastatic spinal tumor
,
転移性脊椎腫瘍
,
surgical treatment
,
外科的治療
pp.1091-1095
発行日 1999年9月25日
Published Date 1999/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902795
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:転移性脊椎腫瘍に対する部分腫瘍摘出術(以下,P法)と可及的全摘出術(以下,T法)の短期成績を比較検討した.1989年以降,当科でspinal instrumentationを併用した手術的治療を行った転移性脊椎腫瘍患者52例中,調査し得た30症例(P法22例,T法8例)を対象とし,両群間で年齢,原発巣,脊椎転移部位,富田分類,予後について比較検討し,手術成績を疼痛,Brice分類,ADLのgradeを点数化して評価した.手術時平均年齢,原発巣,脊椎転移部位も両群間に差はなかった.富田分類では,stageの低い症例でT法がなされていた.疼痛は術前2.1点が術後3カ月で0.8点,Brice分類は1.6から1.3点に,ADLは1.9から1.5点に改善が得られたが,両群間に差はなかった.また,生命予後にも差は認められなかった.転移性脊椎腫瘍に対してはintralesional resectionであれば,部分腫瘍摘出術による神経除圧とspinal instrumentationの術式でも,可及的全摘出術と短期的には同等の改善および予後が得られる.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.