Japanese
English
臨床経験
根治的頸部廓清術後に発生した鎖骨疲労骨折の2例
Stress Fracture of the Clavicle Following Radical Neck Dissection: A Report of Two Cases
河野 仁
1
,
小川 清久
1
,
磯貝 豊
2
Hitoshi Kohno
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2東京電力病院耳鼻咽喉科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
疲労骨折
,
stress fracture
,
鎖骨
,
clavicle
,
根治的頸部廓清術
,
radical neck dissection
Keyword:
疲労骨折
,
stress fracture
,
鎖骨
,
clavicle
,
根治的頸部廓清術
,
radical neck dissection
pp.1399-1402
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901009
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抄録:根治的頸部廓清術後に発生した鎖骨の疲労骨折と考えられる2例を経験したので,考察を加えて報告する.
症例1は50歳,男性.舌癌のため右根治的頸部廓清術,術後放射線療法を施行.7ヵ月後に右鎖骨骨折が発生した.保存的に加療した結果,偽関節を形成したもののADL上支障はない.
症例2は56歳,男性.下咽頭癌のため右根治的頸部廓清術,術後放射線療法を施行.2年後に右鎖骨骨折が発生した.保存的に加療し,骨癒合は得られなかったもののADL上支障はない.
根治的頸部廓清術では副神経と胸鎖乳突筋を切除するため,鎖骨に下方への屈曲ストレスが働く.2症例とも,この屈曲ストレスにより疲労骨折を生じたと考えられるが,放射線照射の影響も完全には否定し得ない.
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