Japanese
English
臨床経験
ガードナー症候群に合併した軟骨芽細胞腫の1症例
Gardner's Syndrome and Benign Chondroblastoma: A Case Report and Review of the Literature
片桐 浩久
1,4
,
田島 宝
1
,
杉山 晴敏
1
,
森山 明夫
1
,
佐藤 士郎
1
,
岩瀬 敏樹
1
,
加藤 哲弘
1
,
浦崎 哲哉
1
,
住田 憲治
1
,
鳥居 修平
2
,
山瀬 博史
3
Hirohisa Katagiri
1,4
1静岡済生会総合病院整形外科
2名古屋大学形成外科
3静岡済生会総合病院外科
4現:名古屋記念病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shizuoka Saiseikai General Hospital
キーワード:
ガードナー症候群
,
Gardner's syndrome
,
軟骨芽細胞腫
,
benign chondroblastoma
,
デスモイド腫瘍
,
desmoid tumor
,
骨腫
,
osteoma
Keyword:
ガードナー症候群
,
Gardner's syndrome
,
軟骨芽細胞腫
,
benign chondroblastoma
,
デスモイド腫瘍
,
desmoid tumor
,
骨腫
,
osteoma
pp.1367-1370
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901002
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抄録:ガードナー症候群は大腸ポリポーシス,骨腫瘍,軟部組織腫瘍を3徴候とする疾患である.大腿骨頸部病的骨折を契機に発見された23歳男性の症例を経験した.軽微な外傷で大腿骨頸部骨折を来たし,単純X線写真にて境界の比較的明瞭な骨透亮像を認めた.易出血性の腫瘍を掻爬し,captured hip screwにて骨接合後,自家骨をハイドロキシアパタイトと混合し移植した.組織所見より軟骨芽細胞腫と診断された.術前著明な貧血を認め,術後大腸ポリポーシスが発見された上頭部骨腫も認められこの時点で不完全型ガードナー症候群と診断した.結腸全摘術も行い術後経過良好であったが,3年後下腹部腫瘤が発現した.腫瘍腹壁合併切除および大腿直筋による腹壁再建術を行った.組織所見はデスモイドであり完全型ガードナー症候群と診断した.完全型ガードナー症候群は全体の10%以下と稀であり,渉猟しえた範囲では軟骨芽細胞腫の合併例はない.
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