Japanese
English
シンポジウム 膝十字靱帯再建における素材の選択
腸脛靱帯
Anterior Cruciate Reconstruction Using Iliotibial Tract
南出 正順
1
,
守屋 秀繁
1
Masayuki Minamide
1
1千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
膝関節手術
,
knee joint surgery
,
前十字靱帯
,
anterior cruciate ligament
,
靱帯再建術
,
ligament reconstruction surgery
,
自家移植
,
autograft
,
術後調査
,
follow-up study
Keyword:
膝関節手術
,
knee joint surgery
,
前十字靱帯
,
anterior cruciate ligament
,
靱帯再建術
,
ligament reconstruction surgery
,
自家移植
,
autograft
,
術後調査
,
follow-up study
pp.1253-1257
発行日 1992年11月25日
Published Date 1992/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900980
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抄録:当教室において腸脛靱帯を用いて膝前十字靱帯再建術を施行し,術後3年以上経過した,男性107例女性74例,計181例181膝の術後調査を行った.JOAスコアでは術前平均66.4点が術後平均94.8点へと改善していた.新鮮例では術後97.6点,陳旧例では94.1点と差を認め,陳旧例で合併損傷を伴う場合の平均は92.4点であり,新鮮単独損傷の98.0点に比べ劣っていた.若年女子陳旧例に成績不良例が散見され,再建靱帯の弛緩によるものと思われた.
人工靱帯がいまだ多くの問題を抱えている中,自家組織による再建術は信頼性が高く,当分の間は主流となるべき手術法である.今回の基礎的研究でも腸脛靱帯は幅4.5cm以上であれば正常ACLと同等あるいはそれ以上の強度を有しており,実際の手術では幅4~5cmで用いるため,substituteとしては十分に適していると思われるが,靱帯の成熟には約1年を要することより,その間のactivityには十分注意を払ったリハビリテーションプログラムを組むべきと思われる.
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