Japanese
English
整形外科基礎
膝十字靱帯のバイオメカニクスとその臨床応用
Clinical Biomechanics of the Cruciate Ligaments of the Knee
安田 和則
1
,
黒沢 秀樹
1
,
山越 憲一
2
,
青木 喜満
1
,
冨山 有一
3
,
田邊 芳恵
3
,
金田 清志
1
Kazunori Yasuda
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道大学応用電気研究所メディカルトランスデューサー部門
3北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
前十字靱帯
,
anterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
,
posterior cruciate ligament
,
バイオメカニクス
,
biomechanics
,
一次修復術
,
primary repair
,
リハビリテーション
,
rehabilitation
Keyword:
前十字靱帯
,
anterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
,
posterior cruciate ligament
,
バイオメカニクス
,
biomechanics
,
一次修復術
,
primary repair
,
リハビリテーション
,
rehabilitation
pp.757-767
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907888
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:第1に前および後十字靱帯の長さ変化を,特別なtransducerを用いてin vitroで測定した.両靱帯ともに線維束の機能分化が観察され,膝屈伸および大腿四頭筋張力発生によって複雑な長さ変化が認められた.第2に大腿四頭筋および膝屈筋群(ハムストリングス)収縮が膝前および後十字靱帯へ及ぼす力と膝屈曲角度との関係をin vivoで調べた.大腿四頭筋単独収縮および同時収縮は,膝伸展位では前方引出し力を,屈曲位では後方引出し力を与えた.この力が0となる角度は,前者が45.3±12.5°,後者が7.4±5.0°であった.膝屈筋単独収縮は常に後方引出し力を与えた.第3に靱帯損傷患者におけるX線学的検討は前述の結果を支持した.以上の結果は十字靱帯損傷の発生機序や病態の一部を解明するものであり,また十字靱帯修復術,再建術およびその後のリハビリテーションに関する多くの有用な情報が得られた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.